JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「青信号と自動運転」から

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3点に注目したい。
 1.配車サービス間の競争力
 2.車メーカが配車サービスに勝つ時
 3.交渉力と顧客粘着性
代表関連記事 TC 2019年2月20日 by Kirsten Korosec
 https://jp.techcrunch.com/2019/02/20/2019-02-19-audis-new-v2i-feature-helps-drivers-hit-every-green-light/
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A この取り組みは面白い。V2I(vehicle to infrastructure)としてGLOSA(Green Light Optimized Speed Advisory)を搭載していく。ドライバーは、青信号で通過できる運転条件を知ることができる。環境面での燃費にも効果がでるし、ドライバーの精神性に対してもプラス(イライラしにくい)だろう。

 

B 考えたいのは、自動運転の世界である。自動運転に関して、人運転と自動運転の混在期間が関所である*1が、自動運転専用レーンができるとか、自動運転車の支配度が高まった世界を想定する。この場合、市場構造の中で権力を握るのは、配車プラットフォームを提供するようなプラットフォーマである。

 

A 誰がどれだけのインフラを支配するかにもよるが、配車プラットフォーマの立場が強くなりやすいのは確度が高いだろう。一方、VWがビートルを復刻させて限定的に配車サービスに導入するといった施策をとってくると、深いファンを惹きつけることが可能となり、粘着力の高い顧客層を持つことになる。

 

B 青信号と自動運転だが、言いたいことは、本当の青信号についてではない。配車サービスAとBを比較したときに、配車サービスAの方が「早く着く・止まらない」といった状況が産まれうる。配車サービスAの方が、サービスBよりも、(早さ、止まらないという面での)力を持っている状況である。

 

A 当然、自動運転化の世界では、移動の概念が変化するため、「早く着く、止まらない」を求めなくなる人も増える。しかし、相変わらずそれを求める人が残ることも事実であろう。

 

B ここから言えることは、単に、配車サービスといってもダメといことである。どんな移動を提供したいかというコアバリューを定義しなければ、特長ある配車サービスにはならない。そこに向けた、サービスの構築が必用となる。移動時間をとるのか、乗り心地をとるのか、社内で過ごしたい時間で丁度到着するような状況をとるのか…。

 

A 先に少しだけ話題がでたVWのように、既存の車メーカは強力な武器を持っているといえる。特に、ハイエンドの車は有利だ。これ自体が強烈なブランドを持つため、配車サービスの掌で踊る必要がなくなり、交渉力は車メーカの方が上になってくるケースが出てくる。

 

B 現車メーカは、既存事業から収益最大化を進めながら、自動運転化の世界をしっかりと見据える必要がある。そこへの施策というのは、自動運転をどのようなサービス・形態で提供し、どのような移動空間を準備するかという部分がコアになるが、自動運転化に向けた「ブランド強化」が将来の競争力に強く効くことも忘れてはいけない。

 

 

*1 「自動ブレーキの義務化」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2019/02/14/053116

  「昭文社の不調」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/12/20/072950

 「自動運転車タクシー、米で始動」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/11/29/062611


 「ドイツ、グリーン電力の夢頓挫」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/10/30/082503

 


/2018.02.20 JK

 

「紛失防止タグ」から

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3点に注目したい。
 1.対象をシフトさせる
 2.家庭内10mでの探索
 3.紛失物と人口動態の関係
代表関連記事 事業構想 2018年2月号
 https://www.projectdesign.jp/201802/iot-market/004484.php
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A 警察白書に開示されているような紛失物の数*1、そして高齢者増加という人口動態。これらを加味すれば、確かに「紛失防止」関連の市場が成長することに、不自然はない。

 

B 紛失防止・盗難防止のタグは多く存在している。基本的にはスマホと連動しており、紛失物の在処を特定したり、所定距離離れるとアラートを生成したりする。

 

A この業界に文句を言うつもりはないが、私であれば、視点を少しずらした業界への参入も検討する。即ち、子供用品である。

 

B 感覚的に、既存の紛失防止タグを必要とするセグメントと、子供用品狙いとでは、用事自体が大きく異なると感じる。

 

A 考えたいのは、積み木、クレヨン、小さい人形、ミニカー…等々、小さい子供があらゆるものを玩具として扱い、気の向くままにどこかにしまったり、投げ散らかしたりする、という状況へのアクションである。

 

B この場合、小さい子供を持つ主婦・夫がターゲットであり、特に、綺麗好きの2人目以降の子供を持つ方々がアーリーアダプタになる可能性が高くなるのだろう。

 

A 実際、2日に一回程度は、「XXはどこにいった!?」と探し回っていた記憶がある。記憶が大げさになっているにしても、3日や4日に一回程度は、子供用品を家の中で探し回っていたのだろう。過去の記憶はマイルドになるが、その時のその現場においては、非常にいら立つ状況であり、時間負荷も精神負荷も大きい。

 

B そうであれば、ソリューションとしては、周囲10m程度(家庭内)の範囲で、子供用品がどこにあるかがわかればいいということになる。現状の紛失防止タグの原理とは全く異なる。


A スマホ画面上で、子供用品の家庭内での位置をざっくりと把握できるだけで十分である。リビングの左隅にあるのか、二階寝室の右隅にあるのか、この程度がわかれば、すぐに探すことができる。技術的な分解能を無理に追求する必要もない。

 

B また、同じ考えでいけば、「何がどこにあるか」はわからなくてもよい。例えば、5㎜□程度のチップを貼り付けると、チップ搭載用品の在処がわかるようにすればいい。何がどこにあるか、はわからなくても、特異点(イレギュラーな場所に用品があるという印」がスマホ上でみえれば十分である。

 

A 子供用品から入って、いずれは大人へと拡張してもいいだろう。この場合も、大きな製品コンセプトはずらさない。家庭内で「探すもの」など、たいていは固定されている。リモコンの人もいれば、爪切りの人もいる。メガネの人もいるだろう。自分の癖に合わせて小さいチップを、気にならない箇所に貼っておけばよい。


*1 警察白書 https://www.npa.go.jp/hakusyo/h30/data.html

 

/2018.02.19 JK

 

「悩みと記憶」から

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3点に注目したい。
 1.情報量という意味での知識の幅
 2.課題解決のための「型」の種類
 3.洞察の為の、「角度」
代表関連記事 東洋経済 2019/02/18 16:00
 https://toyokeizai.net/articles/-/265405
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A 記憶は重要であるが、記憶に頼ると失敗する。しかし、一般的に、記憶に頼らないということは、非常に不安定であり、不安感を掻き立てることも多い。

 

B 多くの経験を、他分野で。色々な企画に顔を出し、読書をし、複数の仕事をこなす。これらはすべて、経験を蓄積していく。まっとうな経験であれば、一般的には、人間的深みがましたり、洞察が鋭くなったりもする。

 

A しかし、「記憶に頼る癖」がついている、むしろ、「記憶に頼る癖」から抜け出せていない時点で、多くの経験をしても、ビジネス界におけるクリエイティブクラスの中では何ら進歩をしていないと言っていいだろう。

 

B 何かの課題に直面したときに、頭の中の引き出しから過去の経験をひっぱりだして、この「経験を現在の課題(解決に)当て嵌めようとする」限り、一般論を超えるような解はでない。創造性の「そ」の字もないアクションしか思いつかない。

 

A 経験は重要だ。しかし、経験に頼ってはいけない。経験による効果は大きく3つある。
 
 1.情報量という意味での知識の幅が広がること。
 2.課題解決のための「型」の種類が広がり、1つ1つの「型」の効力があがる
 3.洞察の為の、「角度」が鋭くなる

 


B 汚い言葉を使うと、「出来ない人」に限り、「情報量という意味での知識の幅が広がる」ことで、自分のスペックが上がったと勘違いする。

 

A この場合、経験にたより、「思い出し」、思い出した情報を現在に当て嵌めて、さも「解決できるように」振る舞う。しかし、現実は、そう甘くない。

 

B やっかいなのは、このような類の方は、自分ができると信じている。そして、過去の経験が適用できない局面にくると、指数関数的加速度をもって、情緒が乱れ不安感に苛まれる場合が、多い。


A 重要なのは、2と3である。多くの経験の中から、自分なりの「型」というものを見出せる。この「型」の種類が増えることで、無意識的に瞬間的に、目の前の課題に対して「解への道筋」をみることができるようになる。

 

B 「型」は重要。「型」をもっているからこそ、そこから逸脱したミラクルな技を繰り出せるというものでもある。型のないトリッキーな発想(や行動)は、単なる無知にすぎない。

 

A 洞察を得るためには、物事を見る「角度」が重要になる。1つの事象を、複数の角度から観ることで、本質的な課題に素早く到達したり、それを解決する独創的な解放へとたどり着ける。視野角と視座は重要である。

 

B 「型」も「角度」も経験値をため、それを自分の中へと落とし込み、ブラッシュアップし続けることで、より深く鋭くなる。このような経験のためかたをすると、「思い出す」という行為はなくなる。昔の記憶に頼ることすら億劫になる。目の前の課題を0ベースで解決した方が、的確だし早くなる。

 

A 1つ1つの経験を、自分の「型」と「角度」へと結び付けていくこと。そして、些細な問題に対してでも、記憶に頼らず解決すること。これを繰り返すのは、いい経験値のためかたである。 

 

/2018.02.18 JK

「タスクの管理と、人のマネジメント」から

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3点に注目したい。
 1.「タスクを高速で回すこと」に視点が下がるのは危険
 2.人の感情や気持ちに対するマネージメントが必須
 3.スピード感は、生産性の分子と分母、双方で捉えるべき
代表関連記事 ーーー
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A 勢いあるベンチャーに多々触れる中で思うことがある。タスクを高速管理しているが、人をチームをマネジメントできていないケースが、かなり多い。このような状態はチームとはいわないし、大きな機会損失をしている状態でもある。


B ベンチャーはスピードが重要。これは最もであり、譲ってはいけない部分であろう。しかし、目の前の細かなタスクを処理する速度が速くとも、本質的課題を消化するのに最終的に時間がかかっては、本末転倒である。


A 本質的課題(≠問題、≠現象)を成敗するためには、チームの総力が必用である。時間が限られている以上、無駄な仕事を極力なくし、各タスクごとに優先順列を明確化し、各タスクを仕上げる最小限のスペックを見極めていく必要がある。しかし、これだけでは駄目だ。分子がない。


B 単位時間当たりのパフォーマンスを考える時に、単に、こなしたタスク数で考えるのは意味がない。重要なことは、通常であれば頭を悩ますのに総計1週間かかるタスクを、今回は特別に2時間で終わらせられるかどうかである。これが分子の概念。


A 分子UPを狙うためには、個人ワークの概念からチームワークの概念へと思考をシフトさせる必要がある。ベンチャーにおいて、スクラムを組んで仕事を回すことがあるが、これが「タスクを回す」ことに集中してしまし、「チームワークを軽視」して、「タスクを管理」することに繋がっているケースが、多々ある。


B タスクの管理は当然重要なのだが、それ以上に、人のマネージメントが重要になる。ここでのマネージメントは、管理という意味あいではない。人やチームのクリエイティビティを持続的に最大化するための処理方法という意味である。


A 最高の人財を寄せ集めたとしても、そこに「チームワーク」の概念がなければ、出せるパワーに制限がかかってしまう。チームワークというのは、何も、寄り添って会議やワークをすることだけではない。個々人が、傍目にはバラバラに動いている状態であってもいい。


B 「人の心・感情」に主軸を置いた、人(チーム)に対するマネージメントが必用になる。

 

A すべての土台は信頼感である。相手を信頼するからこそ、相手に身をゆだねることができる。自分の弱点をOPENにしたり、失敗を包み隠さずに伝達できる。信頼感があるからこそ、自分の方が出来るといった変な競争意識は消え、自然と、互いにカバーしあうことになる。

 

B 信頼という土台があるからこそ、「本当の議論」へと踏み込むことができる。反撃やイザコザを心配する必要はなくなる。個人では辿り着けない創造物の世界へと、議論を通じて、踏み込むことが可能となる。

 

A 信頼に基づき、意義ある議論をこなせるからこを、アカウンタビリティ問題を回避できる。責任の押し付け合いなどはナンセンスであり、チームとしての責任感という感情が芽生えてくる。互いに支え、互いに理解し、互いに頼り頼られ、みなで突き進む。

 

B このような状態になれば、互いの正義にまかせて、チームを自律的に運用できる。管理はほぼ不要となる。手綱を付けなくとも、各々が責任感と使命を持ち、自律的に行動するようになる。管理をしないと、さぼる?そんな心配はするだけ無駄だ。


A しかしながら、それぞれのチームメンバーには、それぞれの役割が存在する。その役割に対し、チーム目標の為にやり遂げる!という強い意思が産まれている。互いにサポートしあうが、各個人はそれぞれがプロフェッショナルであり、自分で自分の責任を全うできる。


B ここまで来ることで初めて、結果にコミットできる。自分たちの価値観と作りたい世界像に対して、何をどのようなペースで実現していくか。そこにコミットできる。ずれるのを当然とした予定ではない、コミットである。 


A このように、タスクを高速で回すことに視点が下がりタスク管理志向が強まると、チームに対するマネジメント、換言すれば、人の気持ち・感情に対するマネジメントが弱くなっていく。それは、生産性の分子向上を犠牲にして、生産性の分母圧縮だけでスピード感をだすことを意味する、とてつもなく非効率な状態であるといえる。 

 

 

/2018.02.17 JK

「戦争のリアリティ」から

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3点に注目したい。
 1.韓国もアメリカも、終戦宣言は歓迎。
 2.南北平和条約締結は、北発日本着のリスクをあげる
 3.INF全廃条約は、米ロ問題ではない。
代表関連記事 
 ・FNNPRIME 2019年2月7日 木曜 午前11:30
  https://www.fnn.jp/posts/00421410HDK
 ・NEWSJAPAN 2019年02月6日
  https://www.bbc.com/japanese/47139939
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A 今、「終戦宣言とINF全廃破棄」という2つの重要なキーワードが大きく動いている。

 

B 終戦宣言。これはトランプさんが米朝首脳会談で、終戦宣言する可能性である。トランプさんの狙いは、再選。再選のために、朝鮮半島にいる米軍を引き上げさせたいという狙いである。

 

A 米軍の管理維持コストは半端ではない。自国を軽視し他国(世界)にお金をつぎ込むのはどうなんだ!という意見が存在するのは当然であり、この部分を確実に確保できる。

 

B さらに、終戦宣言からの平和条約締結へと流すことで、大きな成果を作ることができるし、ノーベル平和賞も見えてくる。

 

A これがトランプだ!という名札づくりには持ってこいの事象であり、大統領の資質についても好感度を付与できる。


B INF全廃。これは米ロ間での、中距離核戦力全廃条約の履行停止という問題である。ゴルバチョフレーガン時代に、INF全廃条約が締結されたが、現在をみれば、実質的にはこれは意味をなしていない。

 

A 更に、中国のようなINF全廃条約とは無関係の国が軍事力を急激に増大させている。

 

B アメリカもロシアも、立場としては、相手方が破棄すればそれを受け入れるという態度を示しつつあるのあろう。

 

A 朝鮮半島終戦宣言にINF全廃破棄。これは日本の軍事的立場を大きく揺るがすイベントであり、戦争的脅威が一気に高まることを意味する。平和ボケの日本人であっても、せめて、戦争リスクが一気に上がることくらいは、頭の片隅に入れておいてほしい。

 

B 朝鮮半島終戦宣言については、文大統領の思想も影響している。金大中のことが頭にあるのだろう。自分も平和書を狙いに行くのではないか。つまり、韓国は積極的に南北平和条約締結へと動いていっておかしくはない。

 

A 何が起こるか。朝鮮半島を中心にみると、北側のロシア・中国・北朝鮮と、南側の日本・米軍(在日)・台湾という構図がでてくる。

 

B 更に踏み込んでみると、地理的に、沖縄の戦略的重要性が一気に上がるとわかる。裏を返せば、北朝鮮発日本着のミサイルリスクが一気に高まる。

 

A INF全廃を考えると、ロシア(と当然アメリカ)の核兵器・ミサイル開発が一気に進む。重要なことは射程である。ロシアが整備していく中距離弾道ミサイル(500km射程)は、欧州だけでなく、日本も含むことにあなる。

 

B 南北終戦宣言に話を戻すと、韓国が平和条約を締結すれば、北朝鮮からの日本方向の短距離段の可能性は消える。残るのは中距離弾である。

 

A 日本というのは、民政と軍政を混同し続けている。正確には、アメリカから民政は戻してもらったが、軍政は返還してもらっていない。これをうまく隠してきているような状況。

 

B さらには、防衛費が対GDPで非常に小さい。弱いわけではないが、アメリカ依存性が非常に高く、自立はしていない。北朝鮮が相手だとしても、日本のみでやりあうのは非現実。ロシアの中距離弾道ミサイルなどもってのほか。

 

A このような中で、日本のリアクションがあまりにも静かなのがげせない。INF全廃であれば、日本は、アメリカとロシアの問題などと対岸の火事的な態度をとってはいけない。欧州もまきこみ、グローバルな危機感を持って、INF全廃問題に対して行動を起こすべきだ。

 

B 南北平和条約について、それを阻止するわけにはいかないが、それが実現したときに、今の米軍頼りの状況ではつらくなることも認識しないといけない。沖縄は重要だ。単なる感情論での米軍基地移転などを問題に採り上げている場合ではない。日本としての戦時的リスクについて、政府は国民にもっと正直に情報をだし、やるべきことを定める必要がある。

 

/2018.02.16 JK

「民主主義崩壊とトルコ」から

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3点に注目したい。
 1.X主義は創造物であり、手段
 2.ニンジン政策は負のスパイラルを産む
 3.内面充実化が軽視されがち
代表関連記事 日本経済新聞 2019/1/17 1:30
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40099890X10C19A1EAF000/
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A 民主主義の崩壊が叫ばれている。グローバルに、独裁型主導者(トランプ、習近平プーチンエルドアン等)が目立っている。一方、ブレグジットマクロン政権へのデモなど、民主主義平気?と思わせるイベントが多発している。

 

B XX主義というのは、人間の創造物であり、虚構である。しかし、それが人間を束ね、組織を動かし強くする原動力でもある。

 

A 民主主義衰退が叫ばれるのは何も悪いことではない。時代に合致していた一つの創造物が、その時代の最適手段から乖離し始めただけに過ぎない。民主主義を支えるのは、相互寛容性・自制心など。

 

B 生活への満足度が高まり、内面的充足度を求める時代に入っていくにつれて、心的豊かさというキーワードが、XX主義においても当然重要になる。そうはいっても、生活の最低レベルが保証されてるのが前提となる。

 

A トルコは、エルドアンとリラ暴落というキーワードで注目されている。いま起きていることは負のスパイラルであるが、ぶらさげるニンジン効果は徐々に薄まると考えるのが自然である。

 

B 少しトルコについて振り返っておきたい。エルドアンは意味不明な行動をとっていると言われるが、彼の作ってきた道については、知っておく必要がある。
 
  ・エルドアンは、オスマン帝国の栄光を取り戻すというビジョンを掲げてきた。
  ・このビジョンで先導し、選挙で勝利してきた。
  ・貿易面/軍事面の両面を伸ばし、国力を強化してきた。
  ・経済成長を実現し、で国民の生活レベルを向上させた。

 


A 景色が変わったのが、2016年のクーデターの失敗。ここから、独裁路線まっしぐらになっている。

 

B 昨年(2018年)のトルコリラ暴落も忘れてはいけない。金融政策当局の信認崩壊は、何とか免れることができた。安定化したようにもみえるが、政治の緊張、ガバナンス不安、金融財政政策の不透明さ、資金と人材流出…などのは、今もリラを奈落へと引っ張る材料となっている。


A 3/31の統一地方選は重要なポイントとなる。与党敗北シナリオへと流れれば、エルドアンはバラまき政策を強化する行動にでるだろう。このバラまきはニンジンである。人気取りである。人を餌でつり、無理やりつなぎとめる策である。この効果は次第に薄れていく。

 

B 今、トルコに求められている常態は、中銀による金利水準の維持を行い、リラ安・物価上昇を食い止めること。しかし、統一地方選が頭にあると、やるべきことが短期視点に落ちる。

 

A NATO同胞であるべきのアメリカとの仲違いであったり、中銀の利下げという行動予測がある。このようなリスクを考えると、政府は、統一地方選にむけて財政支出を増加させたくなる。

 

B 選挙の為に、政府維持のために、ばらまきが必要な構造になっている。バラまきはリラに対しては悪材料となる。更に、人財・資金の流出も加速しているという。

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国を去ったのは学生や学者たちだけではない。起業家もビジネスパーソンも、さらには何千人もの資産家たちもがすべてを売り払い、家族を連れ、カネを持って海外に出ている。トルコ統計研究所の調べだと、国を出て移住したトルコ人は2016年に約17万8千人だったが、17年には42%増の25万人超に達した。
* Globe + 2019.02.13
 https://globe.asahi.com/article/12134680
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A 民主主義のける政権運用を考えた時に、どうしもて人気取りが必要になるケースが多発する。壮大なビジョンがあっても、支持が無ければ、それは実現できない。ビジョンに向けた戦術としての人気取りであればいいが、人気取りサイクルが短縮化し、人気取りのための人気取りが必要になっていく。

 

B 人間の性質を考えれば、餌をぶら下げられても長期的なやる気は起きない。短期的には意味がある。しかし、餌のスペックを落とすことは許されない。一気に、今のやる気さえも失う。

 

A 人気取りとしてのバラまきというのは、劇薬である。XX主義を考える時に、人間の思考や振る舞いを視野に入れることは必須となる。独裁化のメリットも強くでているのは否めない。かといって、民主主義が崩壊したわけでもない。

 

B トルコのような事例はいくらでもある。観察していると、やはり、「内面の充実化」という人間の根幹足る部分が軽視されがちなのかという気がしてくる。

 


/2018.02.15 JK

 

「日本メーカーの国内回帰」から

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3点に注目したい。
 1.「日本製・日本だから」は言い訳。
 2.日本製とは何か?
 3.コントロール可能因子にノウハウを蓄積すべき
代表関連記事 President  2019.2.13
 https://president.jp/articles/-/27643
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A 日経メーカの国内回帰の流れは、賃金格差が小さくなることに伴い、より加速していきていた。

 

B 起こっていることは、新興国が豊かになり、生活水準が上がり、世界的な労働力不足の流れと相まって、海外生産拠点に採用するような地域での賃金水準が上がっているという状況である。

 

A 賃金格差が小さくなり、新興国が顧客になり、ジャパンブランドを望む声が強まっている。だからといって、国内回帰を選択することになはならない。

 

B 関連記事によれば、“国内で生み出される製品には、わが国ならではの技術力、品質管理力、デザイン性といった“ブランド価値”が反映されている…”とのこと。確かに、日本製品のモノづくりについては、未だに他国追従を許さない精彩さがあったり、「日本製」というブランドが機能している。

 

A しかしながら、ブランド・モノづくりのコントロールを考えた時に、これをスムーズに他国にて立ち上げ制御できないようでは、本当の抑えるべき因子を理解できていないと言わざるを得ない。

 

B モノづくりのプロセスと要諦(製造立上、QC、QAなど)については、今後、より科学的手法が採用されていくことになる。顧客状況を考えた時に、本当に、何を保証すべきか。そのためには、何を管理すべきか。それを管理することで、製品品位や歩留まりをコントロールできる理由は何か…。今まで見えていないような情報が可視化されるというのは、そういうことである。

 

A つまり、FAが進んだりスマート工場化していく世界において、「国内だから高品位のモノが作れる」などという意味不明なことを言っているようでは、お先真っ暗ですと宣言しているようなものである。


B 当然、人間の心理は合理性とはかけ離れている。まったく同じ製品であっても、「国内製」と謳うだけで信用力はあがる。これは大いに利用すべきであるが、リスクポイントであることにも留意が必用

 

A 信用の形態やメカニズムが大きく変わっていくことは、フィンテックブロックチェーンの流れで今までも議論してきた。これが、これからの世界である。製品に対する過去の情報・状況に対して保証が作用することで、日本製という仮面がはがれるリスクがあることを忘れてはいけない。

 

B つまり、現時点においては「日本製」というマクロなブランドは利用しきるべきだ。しかし、これに身をゆだねるようではいけない。自社製品のブランドは、自社の積極的な活動と消費者とのコミュニケーションの中で構築していくべき要素である。

 

A 中長期的にみれば、「日本で作るというブランド価値が反映されている」などと自分でブランドをコントロールできない言い訳をしているようでは、立ちいかなくなる。

 

B 日本製というのは魔力を持っている。そもそも、「日本製」とは何だろうか? 日本でちょっと置いたりいじったりするだけでも、日本製になるものは多数ある。これは何を意味しているのか? 食料だって同じである。

 

A 日経メーカがやるべきことは、ビジネスの基本形にのっとり、現市場・製品から最大収穫することに加えて、今、世界が大きく動いている潮流に、自社をしっかりと追従させることである。

 

B そのためには、「自社製品が売れている本当の理由」をファクトに基づき把握することが必用になる。
 ・なぜ、売れているのか。
 ・品位が理由の一つだとすれば、品位とは何か。
 ・その品位をコントロールできている、客観的な理由は何か。
 ・調達なども含めたグローバルな製造最適拠点はどこか。
 ・そこでブランドコントロールできな理由はなにか…。

 

/2018.02.14 JK