JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「バイトダンス、企業価値UBER超」から

「バイトダンス、企業価値UBER超」から

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三点に注目したい 
 1.  プラットフォーム
 2.エコシステム
 3.マルチプル


関連代表記事 Bloomberg 2018年10月26日13:54
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-10-26/bytedance-is-said-to-secure-funding-at-record-75-billion-value
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A 規模は力なり。プラットフォームを利用するUSER数が大ききれば、収益化(課金モデル構築)は後追いでもなんとかなるという発想に近い。従来のproduct製造のビジネスモデルとは明らかに異なるこの流れは、未だに顕在である。一方、USER数増大⇒広告モデルであったり、USER数増大⇒(分析通じた)マーケ支援…等、流れが定石化してきていることも否めない。行き着く競争原理は、USER数を安定してつなぎ止め・拡大する方法であり、サービスやコンテンツの魅力・そしてエコシステムとしての魅力が勝負所になる。


B バイトダンスの今日頭条は、1日のアクティブユーザー数が1億人を超える規模であり、AIを駆使し2,000万を超える情報からユーザに個別最適化した情報を提供している。Tiktokは買収したMusical.lyと合わせて月間5億人ものアクティブユーザを抱える。またバイトダンスの特徴は、中国圏で巨大化し外に打って出るという方向性ではなく、初めからグローバルを狙っている所にもある。


A 中国における情報規制圧力は高まっており、中国を脱してもデジタル企業への風向きは強くなっている。更には、中国企業というブランドへの不信感はいまだに存在しており、軍事利用等との明確な切り分け策などが、必要になってくる。バイトダンスに必要なのは、グローバルでの実績を積むことと、ユーザを繋ぎとめる術であろう。


B Facebookは資金力・USER数だけでなく、テクノロジースキルも当然持っている。自社(FB)への脅威と映れば、買収すればいい。うまくいかないのであれば、相手を叩き潰す戦略を採れる。即ちパクリであり、パクリが本家本元を超える戦略を、Facebookは採ることができる。バイトダンスのようなプラットフォームはFacebookの現状からみれば魅力的、言い換えると脅威的なプラットフォームである。しかし、FB視点でみると、FBというSNSプラットフォームの1機能としてのリップシンクアプリという位置づけになることは、注意が必用。この状況と、TikTokをメインに使うUSERの状況は大きく異なる。

 

A プラットフォームの場合、何を中心とし、そこからどうやってエコシステムを広げるのかが重要になる。最終的に同じサービス機能で網羅されていたとしても、軸足を置いてきた部分で競争性・粘着性が変わってくるのは面白い。バイトダンスの場合、今日頭条とTikTokを二本柱として、これらの行き来は可能にしても独立平行路線をとればよいと考えられる。TikTok側はJASRACとの提携のように、周辺とのアライアンスを強化し、補強していくに限る。そのほか、ユーザの粘着性を高めるための施策といった戦術は次々繰り出す必要はある。


B 今日頭条の方が、長期で考えると更に面白い。元からAIで個人最適化を進めている点は踏襲すべきであるし、より鍛え上げるべきだろう。ニュースを捉える理由を、各ユーザごとに把握しておくのもいいだろう。例えば、「私向け」であれば、AIで選別したNEWSを流す。気になったものを私がタップ。そうすると、「私の気になる業界へのインパクトとか、競合他社への影響、或いはその分野のエキスパートの情報など」が表示されてくる。その分野のエキスパートであれば、そのままlinked inなどにシームレスに接続して内容確認可能にする。業界動向や市場性であればSPEEDAなどにシームレスに接続する。このようにエコシステムを深耕するほど、個別最適化が進むため、離れたくても離れられなくなる。FBを敵とみなさずに、横づけしてしまうという方策をとれる。


A マルチプルを利用した成長もこの先加速すると推察される。膨れ上がる時価総額を利用し、例えば株式交換にて、競合を潰し(買収し)、補強材を獲得(買収)していく。マルチプルによる買収を梃にして、更に時価総額を膨れ上がらせることで、この成長モードは正の回転を初め、Facebook等の既存企業の嫌がらせを突き放すことも可能になってくる。そのためには、将来の構想図を投資家に示す必要があり、収益原理含めたビジョン化が、今のバイトダンスの最大の課題と推察される。