JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「タスクの管理と、人のマネジメント」から

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3点に注目したい。
 1.「タスクを高速で回すこと」に視点が下がるのは危険
 2.人の感情や気持ちに対するマネージメントが必須
 3.スピード感は、生産性の分子と分母、双方で捉えるべき
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A 勢いあるベンチャーに多々触れる中で思うことがある。タスクを高速管理しているが、人をチームをマネジメントできていないケースが、かなり多い。このような状態はチームとはいわないし、大きな機会損失をしている状態でもある。


B ベンチャーはスピードが重要。これは最もであり、譲ってはいけない部分であろう。しかし、目の前の細かなタスクを処理する速度が速くとも、本質的課題を消化するのに最終的に時間がかかっては、本末転倒である。


A 本質的課題(≠問題、≠現象)を成敗するためには、チームの総力が必用である。時間が限られている以上、無駄な仕事を極力なくし、各タスクごとに優先順列を明確化し、各タスクを仕上げる最小限のスペックを見極めていく必要がある。しかし、これだけでは駄目だ。分子がない。


B 単位時間当たりのパフォーマンスを考える時に、単に、こなしたタスク数で考えるのは意味がない。重要なことは、通常であれば頭を悩ますのに総計1週間かかるタスクを、今回は特別に2時間で終わらせられるかどうかである。これが分子の概念。


A 分子UPを狙うためには、個人ワークの概念からチームワークの概念へと思考をシフトさせる必要がある。ベンチャーにおいて、スクラムを組んで仕事を回すことがあるが、これが「タスクを回す」ことに集中してしまし、「チームワークを軽視」して、「タスクを管理」することに繋がっているケースが、多々ある。


B タスクの管理は当然重要なのだが、それ以上に、人のマネージメントが重要になる。ここでのマネージメントは、管理という意味あいではない。人やチームのクリエイティビティを持続的に最大化するための処理方法という意味である。


A 最高の人財を寄せ集めたとしても、そこに「チームワーク」の概念がなければ、出せるパワーに制限がかかってしまう。チームワークというのは、何も、寄り添って会議やワークをすることだけではない。個々人が、傍目にはバラバラに動いている状態であってもいい。


B 「人の心・感情」に主軸を置いた、人(チーム)に対するマネージメントが必用になる。

 

A すべての土台は信頼感である。相手を信頼するからこそ、相手に身をゆだねることができる。自分の弱点をOPENにしたり、失敗を包み隠さずに伝達できる。信頼感があるからこそ、自分の方が出来るといった変な競争意識は消え、自然と、互いにカバーしあうことになる。

 

B 信頼という土台があるからこそ、「本当の議論」へと踏み込むことができる。反撃やイザコザを心配する必要はなくなる。個人では辿り着けない創造物の世界へと、議論を通じて、踏み込むことが可能となる。

 

A 信頼に基づき、意義ある議論をこなせるからこを、アカウンタビリティ問題を回避できる。責任の押し付け合いなどはナンセンスであり、チームとしての責任感という感情が芽生えてくる。互いに支え、互いに理解し、互いに頼り頼られ、みなで突き進む。

 

B このような状態になれば、互いの正義にまかせて、チームを自律的に運用できる。管理はほぼ不要となる。手綱を付けなくとも、各々が責任感と使命を持ち、自律的に行動するようになる。管理をしないと、さぼる?そんな心配はするだけ無駄だ。


A しかしながら、それぞれのチームメンバーには、それぞれの役割が存在する。その役割に対し、チーム目標の為にやり遂げる!という強い意思が産まれている。互いにサポートしあうが、各個人はそれぞれがプロフェッショナルであり、自分で自分の責任を全うできる。


B ここまで来ることで初めて、結果にコミットできる。自分たちの価値観と作りたい世界像に対して、何をどのようなペースで実現していくか。そこにコミットできる。ずれるのを当然とした予定ではない、コミットである。 


A このように、タスクを高速で回すことに視点が下がりタスク管理志向が強まると、チームに対するマネジメント、換言すれば、人の気持ち・感情に対するマネジメントが弱くなっていく。それは、生産性の分子向上を犠牲にして、生産性の分母圧縮だけでスピード感をだすことを意味する、とてつもなく非効率な状態であるといえる。 

 

 

/2018.02.17 JK