JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「日立がソニーTVを販売」から

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三点に注目したい。
 1.家庭内IoTでプレゼンスをえる「まで」
 2.家庭内IoTでプレゼンスを得た「あと」
 3.デジタルコンシェルジュ

関連代表記事 HITACHI ニュースリリース2018年9月25日
www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2018/09/0925a.html

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A 大胆な策だが、いい方針であると思う。一方、長期的には注意が必要な策でもある。「いい方針」というのは、家庭内IoT化における一定のプレゼンス獲得への打ち手という意味。「注意」というのは、日本経営に見られる「情」の作用が残り続け、販売店がいずれ重荷になるも切る決断に進めない可能性が高まるということ。

 

B 家庭内IoT化は、スマートスピーカにより一気にドライブされた。これは単に音楽が聴けるといったものではなく、最終的には、その家庭・住人に特化したコンシェルジュに行き着く。つまり、スマートスピーカはあらゆる家電やスマホ、或いは住居そのものと連動することになる。

 

A エアコンを外出先からつける、といった操作は今では当たり前だけど、スマートスピーカの最終系コンシェルジュに進めば、もっと楽になる。出先からの暗い帰り道、スマホにデジタルコンシェルジュがひょっこりと登場し、「今日は寒いですね、居間を24℃にして、お風呂を41℃でわかしておきましょうか?」と提案してくれる。「よろしく」と頼めば実行してくれる。玄関をあければ、デジタルコンシェルジュの現人神ともいえるロボット型スマートスピーカが出迎えて、「おつかれさまです」と声をかけてくれる。居間で食べた焼肉弁当の臭いがきつければ、それを自動で検知して空気清浄機が稼働する。外気温や天候が大きく動けば、それに基づき最適な快適温度へと自動で誘導してくれる。

 

B 非常に便利。この世界で注目したいのは、スマートスピーカの他に、冷蔵庫と寝室がある。寝室は、最適な睡眠環境の提供。冷蔵庫は、最適な食を手間なく提供するデバイスとして。

 

A 冷蔵庫は非常に重要なポイントだと思う。だからこそ、日立がソニーTVを売るというのは、大胆だが意義深い柵であると思う。日立のテレビは完全に競争圏外。効率経営を目指す中で、プロダクトの取捨選択をするのは必然。一方、冷蔵庫はシェア30%程度を持っている。今後のIoT住居における重要因子である冷蔵庫を確実に抑えにかかるために、不要なTVは削除する。ただし、TVをなくすと構築した販売店網の経営環境が悪化し、貴重な、地域に密着した消費者との接点が脆弱化していくことになる。高齢化と後継ぎ問題がさけばれるなか、TV終了による売上減少が販売店を襲うのは避けたい。そこで、自社収益ではなく、販売店の環境維持(向上)という観点で、ソニーTVを取り扱っていく。

 

B 冷蔵庫については、内容物の状況・状態を扉を開けずに把握できるようになる。そして、不足すれば「XとYを注文しますか?」と提案され、ワンクリックで注文可能になっていく。そして、冷蔵庫内容物から推奨されるレシピが提案されたり、気になっていたグリーンカレーのレシピを探索すれば、足りない材料を見極め注文へと誘導してくれる。当然、レシピと冷蔵庫はワンセットであり、一週間分の作りだめへの対応などもできるだろう。であれば、想像にたやすいのは調理との連動。

 

A 日立としては、冷蔵庫での確実なシェア維持を行いながら、レシピであったり、デジタル電子(オーブン)レンジとの連動などを強化したいところ。最終系はキッチンの支配でいいだろう。システム化されたキッチンパッケージにまで踏み込める可能性はあるし、目指したい。ここに持っていく時に、簡単に設定したり、簡単に据え付けたり、故障したら則対応できるサービス力は、特に高齢者側で重要になってくると考えられる。なので、現代理店網は重要な資産となる。

 

B しかし、より時間を進めれば、基本はリモートでの故障等対応にすべき。可能な限り負荷を減らすべき。この観点で、いずれ代理店網が重荷になることも想像にたやすい。その時に、今までのお付き合いがあるから…という情に引っ張られダラダラと関係を続けるようだと、グローバルプレイヤーとの競争には勝てなくなる。

 

A 一方、そのような場合を見越し、代理店網を他社製品も含めたメンテ・異常時対応部隊に仕上げていくという道はある。やり方をパッケージ化し収益モデルを作れれば、FC化の方向性もでてくる。