JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「日高屋のトンカツ進出」から

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3点に注目したい。
 1.このタイミングで動こう!としているのは見事
 2.しかし、トンカツというのは安直ではないか。
 3.働き方などに伴い、減った需要がどこに化けるのか?
代表関連記事 東洋経済 2019/02/23 5:00
 https://toyokeizai.net/articles/-/267466
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A 日高屋のとんかつ進出は面白い。

 

B 日高屋の成長ストーリーは見事であり、豊富なおつまみ類とアルコールにて高い利率を実現してきている。しかし、雲息が怪しくなってきている。

 

A 日高屋の秀逸なのは、「ちょいのみ需要」に光をあてたことである。しかし、人々の働き方や感性が大きく変わっているこの常用で、「ちょいのみ需要」に頼る構造というのは、非常に危なっかしい。

 

B 日高屋としては、「セントラルキッチンでの効率化」・「直営主体」という構造で、コバンザメ商法よろしく首都圏駅前の繁華街へと出店してきている。このようなロケーションに対して、安価なラーメン+おつまみ+アルコールを駆使し、ちょいのみ需要を見事に取り込んだ。

 

A 営業利益率は10%超。店舗当たりの売上高は100M円弱。これらはほぼ横ばい。売上高と営業利益は基本的には右肩上がり。原価率は27%程度、人件費が31%程度、諸経費が19%程度という構造である。

 

B 考えるのであれば、「夜間需要」への依存性を下げるといういみで、ランチ帯で稼げるようにする。或いは、ちょいのみとは別の形態で、夜の強さをさらに発揮するという方向性もある。

 

A とんかつである必然性が、いまいちよくわからない。また、なぜ自社での検討に拘るのかも、理解ができない。ちょいのみ依存が怖いのであれば、そこと逆相関に位置するような企業を取り込むという手もある。


B 私なら、焼き鳥とかとんかつとか、への進出はしない。あまりに安易すぎる。寧ろ、本当に「ちょいのみ需要が減るかどうか」、そして「仮に、ちょいのみ需要が減るとしたら、その分はどこに転嫁されるか」を調査・検証することにリソースを投下するかもしれない。

 

A 日高屋によってちょいのみをしていた人が、働き方の変化の影響で来なくなったとする。それでも、「自宅含めどこかで似たような行動をとったり、代わりの支出をする」はずである。あるいは、働き方改革の影響で、「ちょいのみ的な、新しい需要」が昼~夕方あたりで産まれても、おかしくはない。これらを考えることは意義が深いし、ここで一手を打てるようになると、単なる飲食店から脱皮することもできる。

 

/2018.02.23 JK