JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「青信号と自動運転」から

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3点に注目したい。
 1.配車サービス間の競争力
 2.車メーカが配車サービスに勝つ時
 3.交渉力と顧客粘着性
代表関連記事 TC 2019年2月20日 by Kirsten Korosec
 https://jp.techcrunch.com/2019/02/20/2019-02-19-audis-new-v2i-feature-helps-drivers-hit-every-green-light/
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A この取り組みは面白い。V2I(vehicle to infrastructure)としてGLOSA(Green Light Optimized Speed Advisory)を搭載していく。ドライバーは、青信号で通過できる運転条件を知ることができる。環境面での燃費にも効果がでるし、ドライバーの精神性に対してもプラス(イライラしにくい)だろう。

 

B 考えたいのは、自動運転の世界である。自動運転に関して、人運転と自動運転の混在期間が関所である*1が、自動運転専用レーンができるとか、自動運転車の支配度が高まった世界を想定する。この場合、市場構造の中で権力を握るのは、配車プラットフォームを提供するようなプラットフォーマである。

 

A 誰がどれだけのインフラを支配するかにもよるが、配車プラットフォーマの立場が強くなりやすいのは確度が高いだろう。一方、VWがビートルを復刻させて限定的に配車サービスに導入するといった施策をとってくると、深いファンを惹きつけることが可能となり、粘着力の高い顧客層を持つことになる。

 

B 青信号と自動運転だが、言いたいことは、本当の青信号についてではない。配車サービスAとBを比較したときに、配車サービスAの方が「早く着く・止まらない」といった状況が産まれうる。配車サービスAの方が、サービスBよりも、(早さ、止まらないという面での)力を持っている状況である。

 

A 当然、自動運転化の世界では、移動の概念が変化するため、「早く着く、止まらない」を求めなくなる人も増える。しかし、相変わらずそれを求める人が残ることも事実であろう。

 

B ここから言えることは、単に、配車サービスといってもダメといことである。どんな移動を提供したいかというコアバリューを定義しなければ、特長ある配車サービスにはならない。そこに向けた、サービスの構築が必用となる。移動時間をとるのか、乗り心地をとるのか、社内で過ごしたい時間で丁度到着するような状況をとるのか…。

 

A 先に少しだけ話題がでたVWのように、既存の車メーカは強力な武器を持っているといえる。特に、ハイエンドの車は有利だ。これ自体が強烈なブランドを持つため、配車サービスの掌で踊る必要がなくなり、交渉力は車メーカの方が上になってくるケースが出てくる。

 

B 現車メーカは、既存事業から収益最大化を進めながら、自動運転化の世界をしっかりと見据える必要がある。そこへの施策というのは、自動運転をどのようなサービス・形態で提供し、どのような移動空間を準備するかという部分がコアになるが、自動運転化に向けた「ブランド強化」が将来の競争力に強く効くことも忘れてはいけない。

 

 

*1 「自動ブレーキの義務化」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2019/02/14/053116

  「昭文社の不調」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/12/20/072950

 「自動運転車タクシー、米で始動」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/11/29/062611


 「ドイツ、グリーン電力の夢頓挫」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/10/30/082503

 


/2018.02.20 JK