JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「アスペクト比9:21のスマホ」から

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3点に注目したい。
 1.微修正の意味を問うことは必須
 2.無暗に固定費を増加させない
 3.本当に「しっくり」とくるデバイス
代表関連記事 4Gamer.net 2019/02/27 18:36
 https://www.4gamer.net/games/128/G012871/20190227077/
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A このような些細な変更には注意が必用である。1つは、プラスの側面であり、ユーザの不快感が消える状況を作ることがあること。2つは、固定費が嵩張り収益構造が脆弱になること。

 

B スマホと一言にいっても、その外形やボタンの位置などは異なる。複数の機種を投入するときに、毎回毎回、異なる鋳型を使うようになると、コスト構造が脆弱になるのはいうまでもない。即ち、その微修正(や自分勝手なコダワリ)には本当に意味があるのかを、問う必要がある。

 

A 関連記事ではアスペクト比が9:21という外形のスマホを投入するとのこと。この9:21の意味や意義については触れないが、このような「些細」と思われる変更であっても、ユーザの不満を解消することがある。

 

B スマホについては、すでに、ほぼ無意識に操作しているユーザが増えているのだと思う。しかし、よくよく観察すれば、隠れたる不快感が存在しているとわかる。例えば、「僅かにディスプレイ角度を(手首を利用して)調整」していたり、「やたらと、薬指に力が入って」いたり。

 

A スマホを操作している時の、ユーザの腕や手首、或いは指の動き。目線の動きや首の角度。そして、スマホを握る其々の指による圧力。そして、その時の脳のリアクション。これらをしっかりとモニターして検証していくことで、本当に「しっくりくる」スマホを開発できる余地は残されている。

 

B スマホ自体の機能や、スマホの向こう側のコンテンツに、ほとんど差異がないと仮定した場合、「しっくりくる」かどうかは非常に強い差別化要素になってくる。手に収まる、使っていても疲れない…。

 

A 日進月歩でデバイスもコンテンツも進化している状況において、「本当にしっくりくるデバイス」を開発可能案力は、長期的発展に対する底力として機能する。考え方は、他のデバイスにも応用できるため、深いケイパビリティた蓄積されていくことになる。

 

/2018.02.27 JK

「折りたたみスマホ」から

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3点に注目したい。
 1.機能戦争勃発中。
 2.ユーザのエクスペリエンスを劇的に改善するかどうか
 3.スマホ単体では成し得ない領域へ
代表関連記事 IT Media Mobile 2019年02月25日 11時22分
 https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1902/25/news064.html
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A 折りたたみスマホ。いつかは来ると思っていたが、機能戦争以上の何物でもない。

 

B 折りたたみスマホへの進化は、何ら本質的ではないと思われる。消費効用を最大化させるものとは思えないし、ユーザエクスペリエンスを劇的に変えるものでもないだろう。

 

A スマホの進化が止まってきている。嘗ての家電類と同じように、スマホ売り場にいけば、似たようなスマホがこれでもかと並んでいる。

 

B スペック表には、一般消費者には対して意味のない言葉が羅列されており、結局、このスマホでは何が(特に)できるのか?ということが、まったく伝わってこない。

 

A 折りたたみにしたからといって、売上やブランドなどに対してブレークスルーが起こるべくもない。

 

B 私ならどうするだろうか。私が感じているスマホの不便さは、「視認性」。特に、「大画面で見たい…」と思うことが多々ある。スマホなのだから仕方がないが、この「ディスプレイサイズ」という制約を乗り越えたい。

 

A 折りたたみスマホは、画面サイズが約2倍になるわけであり、より大画面化への道を進んでいる。しかし、それでも高だか二倍であり、本質的ではない。

 

B 消費者の行動やエクスペリエンスを変化させるためには、「あたかも、そこに、大画面があるかのように」感じることが重要ではないだろうか。この観点に立てば、スマホのみに頼るのは心もとない。

 

A スマホのエクスペリエンスを改善するために、スマホとコンテンツのみに注力するのは、確かに視野が狭くなる。

 

B スマホを通じたエクスペリエンスはしっかりと残し改良しながら、プラスアルファのデバイスを通じた、スマホ単体では実現しえないエクスペリエンス演出することは出来るだろう。

 

A この路線で行けば、例えば、スマートグラス。スマートグラスも開発が日進月歩で進んでいるが、グラス単体で考えるのではなく、「スマホのエクスペリエンスを劇的に拡張するためのデバイス」として捉えると、出来ることが大きく変わってくる。


B 考えかとして、ある時はグラスである時はスマホで…という境界を意識して設定することはしない。スマホを通じたエクスペリエンスがあって、これを非線形的に拡張するためのデバイスとして、グラスを投入していく。


A 出来ることは多い。スマホのエクスペリエンスを劇的に拡張するために、画面サイズの制約を取っ払うことも出来れば、現実に仮想をリアルに重ね合わせることもできてくる。

 

/2018.02.25 JK

 

「論破」から

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3点に注目したい。
 1.自己主張や自分の内面満足は、議論ではない。
 2.議論を議論たらしめるためには、参加者に所定の力・姿勢が要求される
 3.議論になっていない議論モドキが90%以上あるだろう
代表関連記事 東洋経済ONLINE 2019/02/25 15:00
 https://toyokeizai.net/articles/-/266552
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A 論破するとか、論破される。このような次元で「議論」のころを捉えている時点で、本来的な議論の真の力を引き出すことは、まずできない。

 

B 議論とは何だろうか。議論という名前を借りて、実のところ、自分の地位を相手に示したり、自分の能力という優位性に浸っているようでは、何もわかっていないと言わざるを得ない。

 

A 相手の発言の欠点をただただ指摘し、理詰めすることなど、簡単である。しかし、ほとんど意味がない。

 

B 上辺の情報交換程度に収まり、衝突の「しょ」の字もなく、責任感もち互いに説明責任を要求できないようでは、その場を開く意味はほとんどない。

 

A そもそも、A or NOTという解が存在する時点で、議論をする必要はない。

 

B 議論とは何か。議論を議論たらしめるための、参加者に求められる力とは何か。今回は、この点について論じる気はない。ただ、問だけをなげかけたい。

 

A 日々の業務の中に溶け込んでいる「議論と呼ばれるもの」は、本当に議論だろうか。議論する必要があるのだろうか。議論になっているのだろうか。

 

B 議論とは何か? 何のために存在するのだろうか。その存在目的を達成するためには、議論参加者には、どのような力や姿勢が求められるのだろうか。

 

A 非常にシンプルな疑問であるが、ここを本気で考えたか否かで、議論から導かれる単位アプトプットの質も量も大きく変わる。 

 

 

/2018.02.24 JK

「日高屋のトンカツ進出」から

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3点に注目したい。
 1.このタイミングで動こう!としているのは見事
 2.しかし、トンカツというのは安直ではないか。
 3.働き方などに伴い、減った需要がどこに化けるのか?
代表関連記事 東洋経済 2019/02/23 5:00
 https://toyokeizai.net/articles/-/267466
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A 日高屋のとんかつ進出は面白い。

 

B 日高屋の成長ストーリーは見事であり、豊富なおつまみ類とアルコールにて高い利率を実現してきている。しかし、雲息が怪しくなってきている。

 

A 日高屋の秀逸なのは、「ちょいのみ需要」に光をあてたことである。しかし、人々の働き方や感性が大きく変わっているこの常用で、「ちょいのみ需要」に頼る構造というのは、非常に危なっかしい。

 

B 日高屋としては、「セントラルキッチンでの効率化」・「直営主体」という構造で、コバンザメ商法よろしく首都圏駅前の繁華街へと出店してきている。このようなロケーションに対して、安価なラーメン+おつまみ+アルコールを駆使し、ちょいのみ需要を見事に取り込んだ。

 

A 営業利益率は10%超。店舗当たりの売上高は100M円弱。これらはほぼ横ばい。売上高と営業利益は基本的には右肩上がり。原価率は27%程度、人件費が31%程度、諸経費が19%程度という構造である。

 

B 考えるのであれば、「夜間需要」への依存性を下げるといういみで、ランチ帯で稼げるようにする。或いは、ちょいのみとは別の形態で、夜の強さをさらに発揮するという方向性もある。

 

A とんかつである必然性が、いまいちよくわからない。また、なぜ自社での検討に拘るのかも、理解ができない。ちょいのみ依存が怖いのであれば、そこと逆相関に位置するような企業を取り込むという手もある。


B 私なら、焼き鳥とかとんかつとか、への進出はしない。あまりに安易すぎる。寧ろ、本当に「ちょいのみ需要が減るかどうか」、そして「仮に、ちょいのみ需要が減るとしたら、その分はどこに転嫁されるか」を調査・検証することにリソースを投下するかもしれない。

 

A 日高屋によってちょいのみをしていた人が、働き方の変化の影響で来なくなったとする。それでも、「自宅含めどこかで似たような行動をとったり、代わりの支出をする」はずである。あるいは、働き方改革の影響で、「ちょいのみ的な、新しい需要」が昼~夕方あたりで産まれても、おかしくはない。これらを考えることは意義が深いし、ここで一手を打てるようになると、単なる飲食店から脱皮することもできる。

 

/2018.02.23 JK

「筋トレの習慣化は不要」から

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3点に注目したい。
 1.筋トレとビジネスの共通点
 2.プロセスではなく、進捗を管理
 3.自己決定理論(SDT)は有用
代表関連記事 Lifehacker 2019.02.22
 https://www.lifehacker.jp/2019/02/185528go-ahead-and-break-your-streak.html
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A 筋トレを毎日続けよう。このような「習慣化」というのは、重要であるが、それはケースバイケースでもある。

 

B 当然のことである。習慣化時代を目的に設定する場合は、習慣化することが目的達成のキーファクターなのであれば、理にかなっている。


A 「筋トレと習慣化」という言葉を聞いたときに、ビジネスパーソンであれば、リーダーシップであったり、チーム運営、或いは部下育成などへと、思考を展開したいものだ。

 

B 習慣化自体がキーファクターであるケースや目的であるケースよりも、習慣化しよとしている行為は複数の目的達成に向けたパラメータの一要素に過ぎない、というケースの方が多い。

 

A 重要なことは、目的に対する進捗の管理、である。プロセス自体を習慣化という形で管理するのではなくて、目的を現実化するために、進捗を見ることが重要となる。

 

B タスクを管理することが重要な局面も存在するが、それよりも、進捗をマネジメントするほうが、よほど重要である。

 

A 進捗に光を当てて、そこから「このフェーズで必要なプロセス」を決定していく。これは、当人にとってのコントロール域が広がることを意味し、自律的なアクションへと繋がっていく。自らの自信(有能感)にも繋がってくる*。

 

B このような進捗管理を行い、進捗からプロセスを自ら考えていくという循環を作っていくと、想像に容易いが、俄然、やる気が出てくる。それは、ビジネスでのチーム運営でもそうであるし、「自分に課した筋トレ」でもそうである*。


A 継続してパフォーマンスを出すためには、気持ちを乗せる、ことが重要になる*。習慣化自体を目的にすると、気持ちがマヒする(乗る)までに苦痛を伴うことが多い。

 

B そうではなく、目的に対する進捗に光を当てて、このフェーズで必要なプロセスを考え、自分で自分をコントロールしていくという流れを作ることが、自己決定論(SDT)的には、継続的モチベーションを産みやすく、よって継続的パフォーマンスを出しやすくなる*。

 

A 某肉体改造企業の場合も、プロセス管理はきっちりしているが、それ以上に、専用トレーナーが「進捗を管理」している部分が大きい。専用トレーナーとの進捗で結びつく「関係性」が力となり、日常生活でも自分を律し(自律的行動)行動する。これが肉体改造という結果(進捗)に結びついていく*。よくできている。

 


*「マネジメントの進化」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2019/02/11/065934

 「報酬が内発的動機を奪う」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2019/02/08/073446

 「タスクの管理と、人のマネジメント」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2019/02/18/065536

 


/2018.02.22 JK

「華為技術・排除」から

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3点に注目したい。
 1.グローカライゼーション
 2.不信感
 3.グローバルには手綱を外す。
代表関連記事 CNN 2019.02.21 Thu posted at 16:25 JST
 https://www.cnn.co.jp/tech/35133095.html
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A 華為技術(ファーウェイ)排除の流れは、未だに収まらない。このような問題がNEWSで流れたときに、「中国企業だから…」といった単なる感想で止めるのは正直勿体ない。自分が華為技術のトップであったら、どのようにこの状況を切り抜けて企業を成長させるか、を考えたい。

 

B 華為技術問題のポイントは「うさん臭さ」*1である。

 

A 企業としては10兆円弱の売上を誇る超巨大企業である。中国三大企業のBATを遥かにしのぐ規模である反面、未上場であり、その内部の透明性が悪いという特徴を持っている。

 

B 「うさん臭い」のは「中国企業だから」という考察はいけない。グローバルにはばたく一流の中国企業も沢山いる。

 

A キッカケは、(副会長・CFO)孟晩舟さんが、対イラン制裁違反商取引に関する詐欺容疑で逮捕されたということ。5Gインフラ覇権問題も手伝い、ここから、華為製品排除が関係各国に呼びかけられ、「国vs企業」という構図が見事に成立。状況はドンドン悪化しており、中国政府の諜報活動に華為が協力しているという容疑が強まっている。

 

B メディアの前で弁解しても、「うさん臭さ」はとれない。国を巻き込んだ「排除の動き」がある中で、私企業が「うさん臭さ」を跳ねのけて華為採用を継続することは、リスクが大きすぎる。

 

A 中国というのは、管理社会である。ここにデータが加わり、完全監視社会へと向かっている。国家情報法*2が存在しており、「政府の情報活動に協力せざるを得ない」状況となっている。

 

B 非上場であり不透明なガバナンス構造。国家情報法という中国政府の首輪がついている状況。ここでどれだけ弁解しても「うさん臭さ」は決してとれない。といっても、これだけの規模に成長できているのは、中国政府による「加担」が存在するからである。

 

A 中国は外国企業には冷たい。自国企業を優遇する。それはそれで戦略である。この中国企業という存在と中国ビッグマーケットが合わさり、好き勝手動けて荒稼ぎできている。この恩恵を、トップとして捨てるわけにはいかないだろう。

 

B であれば、自ずと方向性は見えてくる。中国専門部隊とグローバル(非中国)専門部隊に、「完全に」分離すればよい。中国専門部隊は、中国のやり方で、中国政府と寄り添って、今まで通りに成長し、中国市場を制覇する。グローバル部隊は、例えばUSで法人を立て、欧米やインドなど、各国の優秀な層をリーダとして迎える。完全に中国政府間しかからは切り離し、これを透明化する。

 

A 華為自体のグローバルな活動は見事であり、エコシステム醸成にも積極的である*1-1。このグローバルに築き上げてきた立場を、「うさん臭さ」といった観点で、みすみす台無しにするのはもったいない。

 

B 私がトップであれば、率先して、企業を分断させる。グローバルな時代において、グローカライゼーションは基本であろう。中国企業だからと言って、グローバルにまでその手綱を付けている必用はない。

 


*1 -1「華為製品の不使用を要求」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/11/30/074921

  「バイトダンス、企業価値UBER超」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/11/17/072535

*2 国家情報法
  http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11000634_po_02740005.pdf?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F11000634&contentNo=1&__lang=en


/2018.02.22 JK

「歴史は繰り返さない」から

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3点に注目したい。
 1.濁流形成前の察知能力
 2.トリガーの把握
 3.集団への作用の把握と、仮説化。
代表関連記事 東洋経済ONLINE 2019/02/21 15:00
 https://toyokeizai.net/articles/-/266214
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A マーク・トウェインの「歴史は韻を踏む」という言葉は、非常に的を射ていると思う。「歴史は繰り返す」というマインドセットと、「歴史は韻を踏む」というマインドセットとでは、思考を巡らす幅や深さが大きく変わってくる。

 

B 人間というモノの本質が大きく変化しないのであれば、人口密度やテクノロジーが変化しても、群として形成する主観的事実の質も大きくは、変化しない。ここには、何かしらの傾向のようなものがあり、時間や物理的距離を跨いで、これからのイベントを類推できることがある。これが「韻を踏む」という概念であろう。

 

A 例えば、昔々に起きたある事象Xをひっぱってきて、それをまるまるパクり、「事象Xが昔起きた⇒今回もXと同じ道筋を辿る」と安直に判断するのが、「歴史は繰り返す」思考である。言ってしまえば、考えたフリだけしている状況でもある。

 

B 野性的感であったりマグレ当たりという成功結果に対して、あとから立派な根拠を引っ提げることは簡単である。世の中に報告されている「成功体験」の中の多くのものは、このような類のものではないだろうか。同様に、成功事例だけを表面に出して、失敗事例は闇に葬るケースも多い。

 

A 未来予想的中・問題解決能力万歳が、過度に強調されている可能性も否めない。過去と今の情報から、未来の変化を予測できるのだろうか。私が思うに、当然失敗は存在するが、大きなイベントに対する予想確度は上がっていく。

 

B 人間の活動も全てが、アルゴリズムにより規定されている。科学的思考に立脚するのであれば、「行動に至るためのステップ」に所定の(複雑な)ルールがあったとしても、何らおかしくはない。この状況でデータ至上主義が更に進み、扱えるデータ量が指数的に増えていくとなると、科学的に人間の集団活動の向こう側が見えてくることになる。

 

A あらゆるデータを全て吸い尽くすというのは非現実である。しかし、扱えるデータ量が爆発的に増えるのは事実である。正規分布の外側についても、その威力がよりはっきりと把握できるようになってくる。


B 人間的な集団としての行動に、起こりうる確率の低いキッカケが作用することで、爆発的な潮流を形成していく。集団としての行動ルールは、それこそデータ至上主義の得意分野であり、コントロール対象にさえなってくる。

 

A 発生確率の低いトリガーを見抜くことが重要であり、ここで、「韻を踏む」が本領を発揮する。些細なトリガーにいち早く気が付き、それが集団としての主観事実形成にどれだけ寄与していくかを判断していく。

 

B トリガーの把握でさえ、データ至上主義は味方をする。バブルでも、リーマンショックでも、北朝鮮問題でも、ジェノサイドでも…、歴史的に見たときのこれらの「トリガー」部分に着目することが容易になってきている。

 

A トリガーというのは、人間の心理や行動へと影響を与えやすい因子でもある。この因子が、現在の人間い作用した場合に、新しいテクノロジーや思想に対してどう作用していくかを考えていく。ここでも、現在近傍の人間性に対するマクロなデータは存在しているため、たんなるあてずっぽうよりは確度高い予想が可能となる。

 

B トリガーが集団に作用し、集団が変化していく。この変化速度は、デジタル依存症が強くなるほど早く・広くなる。シンプルに考えるのであれば、大きなイベントの発生頻度が上がり、萌芽から開花までの時間が短縮される。

 

A 関連記事でジム・ロジャーズが「30年後の日本」について指摘しているが、このような観点は非常に重要である。人口減少、高齢化、債務…これらはインプットであり、トリガーの1つである。このようなトリガーを持った国々が過去どのような経路をなぜたどったかを、知る必要がある。

 

B それを現代版にモディファイしていく。このときに、現在の「日本の国民性」や「行動原理」といった項目を、しっかりと把握する必要がある。これもデータが得意とする領域である。

 

A インプットの確度が高く、処理過程のメカニズムもわかってくれば、出力(未来)は見えやすくなる。やるべきことは、それを回避するように動くか、それを阻止するかであろう。

 

B 表面上は日本を支える(阻止する)と述べるも、自分の資産や家族を逃がす(回避する)選択を採る人がどれほどいるのか。これが富裕層側から発生し濁流と化した時、何が起こるのか。仮にこのような仮説を持つのであれば、どのようなデータを採り追うべきかは明確になるだろう。

 

A 重要なことは、トリガーが集団に作用して濁流となる「前に」気が付くことである。それは、リーマンショックのような大きな負のイベントだけでなく、ビッグビジネスをいち早く獲得するという意味でも同じである。

 

B 繰り返しになるが、キー因子であるトリガーを把握すること。それが集団に対してどのように作用するかを、考察すること。共にデータが武器になり、日進月歩で情報アクセス性が改善されている。その上で、「インプット⇒処理⇒アウトプット」の強い仮説に対して、「何をマークするか(どのような情報をどうやって追い続けるか)」を決め実行していく。この一連のアクションが、濁流と化す前の重要イベントへの察知能力をあげる。

 
/2018.02.21 JK