JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「手洗いをしない人」から

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3点に注目したい。
 1.手洗いをしない⇒ 病気になるというリアリティが低い
 2.手洗いをする⇒ その行為と病気になるというリアリティのバランスが悪い
 3.「であれば、何ができるか?」、「これは、何を意味するのか?」

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A インフルエンザの季節になると、「手洗いを徹底的に」といった注意を促す場面によく出くわす。

 

B 「手洗い」というのは、自分及び他日人の健康管理に対する基本事項であり、幼き頃よりほとんどの方が「手洗い」についてクドクドと注意を受けたことかと思う。

 

A 手洗いが基本事項であるのであれば、わざわざインフルエンザの流行と共に注意を促す必要はない。起きていることは、手洗いをしない方が非常に多いということである。

 

B 商業ビルのお手洗いにて、手洗いをすっ飛ばして出ていく方は結構多い。観察していれば分かる。公園で遊んだ子供が、この季節は特に「水が冷たいから」と手洗いを嫌がるケースをよく目にする。酷いケースでは、モールやアミューズメントパークなどにおいて、飲食店の店員らしき方が、用を足した後に手洗いを省いているケースを目にすることもある。

 


A 手洗いの重要性については、みな知っているのだろう。しかし、「手洗いしなかったからといって」酷い病にかかるとか、間接的に他人を病へと導くと、現実感をもって考えているケースは少ないのかと思う。乳幼児を抱えている父母とか、強いプロ意識のあるビジネスパーソンであれば、感度が高く管理意識もあるため徹底しているのだろう。


B ざっくりと表現すると、石鹸やハンドソープ、殺菌剤・・・などのメーカは、あたかも手にばい菌がウヨウヨといて悪さをするような印象を消費者に植え付ける。これにより、消費者が手洗いという行動へと進みやすくなり、自社商品がうれやすくなる。

 

A 手洗いの問題は、「面倒」ということだろう。この「面倒」というのは、罹患するリスクというリアリティが低い状況に対して、わざわざ手を濡らしてゴシゴシして渇かすという行為及び時間との釣り合いが悪いことを意味する。

 

B 先の石鹸メーカなどの行動は、罹患リスクに対するリアリティを増幅させる戦略である。では、後者、即ち手洗いという行為と病になるということのバランスの悪さについては、どうだろうか。

 

A アルコール消毒というのは、手洗いに比べれば圧倒的に手間を省いており、後者を狙った戦略である。しかし、これだけでは不十分であり、基本的には、手洗い(石鹸を用いた手洗い)にプラスしてアルコール消毒を行っていく。このような位置づけである。

 

B 現状、手洗いと同等以上の効果を奏し、且つ「簡便な」手法というのはない。仮に、アルコール消毒程度の操作で、手洗い以上の効果を得ることができるのであれば、状況は大きく変わる。

 

A 未決課題は、手洗いが面倒であるが、効果的で簡単な手洗い代替法が存在しないこと。消費者は手が清潔で、病気になりにくいことは基本的には否定しない。面倒くささを否定している。これに対して、アルコール消毒と同程度以上の簡便さで、石鹸手洗い同等以上の清浄度を実現する方法を提供していく。

 

B 例えば、「常に薄い皮膜を手に有している」状態などどうだろうか。厚みで~1umt程度の皮膜を、手・指に付けている。これの表面(外気に触れる側)は、防汚機能と抗菌機能を持っている。内側は抗菌機能の他に、歯だとの適合性といった基本機能を有する。アルコール消毒のように手にスプレーし、揉み込むようにすると皮膜化する。外出したりお手洗いに行った際には、そこで再びスプレーすれば表面が刷新される。

 

A 一日に手を洗う回数が10回だとして、全て、皮膜の上にコーティングしていくとすれば、厚みは皮膜1層の10倍になる。20umtもの厚みがあれば違和感が凄い。いっても10umt程度であろう。ここから簡単に、1層は1umt以下程度が望ましいか。これであれば、指紋などの凹凸表面にも層を形成できる。

 

B 見た目に気になる汚れがあれが、ウェットティッシュで拭けばすぐにとれる。市販の一般石鹸で洗っても、簡単にとれる。その為、風呂に入れば勝手にとれる。万が一、体内に入っても問題ない分子構造であることは、当然。

 

A どこから導入すべきだろうか? 狙いたいのは、まずは「幼児」関連。産婦人科とか子供病院での推奨手洗いへと食い込むことができれば、親への意識づけができる。また、子供が大きくなる過程でも使う可能性が高まる。次に、その信頼性を幼稚園や小学校へと入れていく。同時に、高齢者施設を狙っていく。このような波及を考えるのは面白い。

 

B  このシナリオに沿うのであれば、「開発」段階から、医師・学会などを巻き込むことが必須となる。そして、エビデンスベースで動くために、確実な統計値を出せるような検証FLOWを構築する必要がある。一社の力では賄いきれないことも想定されるため、初めから、複数社で戦略提携をしてもいいかもしれない。

 

A 並行してリソースに余力があるのであれば、スマホアプリで手の「ばっちい度合」を簡単に測定できるアプリを創れると面白い。機能はシンプルに、しかしエビデンスベースでの確実な評価ができる系を目指すべき。あらゆる菌類を対象にするのは非現実であるため、特定の菌に絞って、知恵を絞るのは悪くなる。

 

B 拡大戦略として、デリバリーや介護ロボットなども狙ってみたくなる。ピザ配達ロボットのアームにピザソースが「ついたまま」だったら、非常に嫌だ(不衛生きわまりない)。誰が拭くのか?誰がキレイに維持するのか?自動化するというのであれば、「汚れないし、抗菌性が高い」状態は現状以上に望まれる。毎日拭き掃除を10日ごとにスプレーし直すだけに変更できるだけでも、効果は大きい。

 

B 日常生活の中で、気づくことは多い。「あ、あの人、手、洗ってないな」。これにさえ気づかない人もいるだろう。気づいた人は、ここで終わってはもったいない。「であれば、何ができるか?」であったり、「これは、何を意味するのか?」と思考を巡らすことに、意味がある。

 

/2018.01.14 JK