JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「宅配寿司」から

f:id:JK_Tomorrow-Maker:20190122210220j:plain

----------
3点に注目したい。
 1.顧客の顔がみえなくなっている。
 2.提供プロダクトが中途半端で、一貫性がない
 3.セグメントを明瞭かし、「やらないこと」を明確にする

関連代表記事 --- 
---------------

A 飲食物のデリバリーは増加していきているが、「不整合」であるケースをよく見る。整合というのは非常に重要であり、例えば、経営理念と組織体制・運営との整合性もあれば、事業内での整合性なども存在している。

 

B デリバリーで考えるのであれば、ある店Xからしか注文を採れないというのは、消費者からみると不便になる。それは、メニュー数が極端に制限された状態であり、リアルと何ら変わらないためである。

 

A 出前館が急伸しているが、出前館のようなプラットフォームがあると、プラットフォームにのる飲食店を跨いで、消費者は好きなメニューを頼むことができてくる。

 

B 宅配寿司を頼んだときに、ふと思ったことがある。ニギリがあり、丼がある。そして単品でもセレクトできる。サイドメニューもあるが、某大手宅配寿司のそれは「茶碗蒸し、鳥料理(揚げ物)」がほとんどである。デザートは、「わらびもち、フォンダンショコラ」である。

 

A 回転ずしについては、サイドメニューの進化が消費者心理と呼応しているため、不思議なメニュー含めた多様的メニューがあっても何ら不思議ではない。

 

B 宅配寿司はどうなのだろうか。例えばニギリの桶を一人前で頼むと、2,000円程度の予算がかかる。一般的消費者の食への支出額から考えれば、日常の出費ではなく、特別な日などに利用するケースに相当すると考えるのが妥当と思われる。

 

A 「特別な日」に自宅に寿司をとろう!というケースを考えた場合、寿司のサイドメニューが「鳥の揚げ物」でいいのだろうか。寿司コースであったり、日本料理(コース)を考えてみればわかるが、「鳥の揚げ物」「フォンダンショコラ」ではないだろう。需要がないといっているのではない。鳥の揚げ物でもいいが、頼める料理種を考えた時に、バランスが非常に悪いと感じる。「寿司(特別な日)」という軸を考えた時に、サイドメニューとの整合性が悪い。


B サイドメニューを、「特別な日・寿司を自宅に」という軸で考えて、日本料理や寿司コースを参考に充実化させてもよいかと思う。ここで、「自前でやる必要はない」ということが重要。これだけの料理を揃えると、オペレーションも含めて、コスト構造が大きく変わってしまう。出来る部分は自前化してもよいが、他社提携は初めから摸索したい。


A 同様の不整合を考えると、「飲み物」がある。寿司屋に行ったときに、「何をどう」呑むかを考えてみればいい。宅配寿司のサイトから、料理にあう「適温の」飲料を提供するという方法もあるはずである。自宅で「適温」にするのは、実は、面倒である。


B このような考え方は、セグメントをより明瞭にする。宅配寿司をとる層にも複数のレイヤーが存在しており、どこのレイヤーを主たる顧客層として捉え、彼らの効用をいかに最大化するかを考えねばならない。

 

A 宅配寿司として回転ずしのようにセグメントをデザインするのであれば、「鳥の揚げ物」「フォンダンショコラ」では不十分であるし、値段も高い。主たる顧客層がみえていない。何でも採りにかかるという戦略になっていない戦略を採用しているようにも見える。セグメントを明確にし顧客の顔を見えるようにするということは、明確に「やらないこと」がわかるということでもある。

 

 

/2018.01.22 JK