JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「戦争のリアリティ」から

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3点に注目したい。
 1.韓国もアメリカも、終戦宣言は歓迎。
 2.南北平和条約締結は、北発日本着のリスクをあげる
 3.INF全廃条約は、米ロ問題ではない。
代表関連記事 
 ・FNNPRIME 2019年2月7日 木曜 午前11:30
  https://www.fnn.jp/posts/00421410HDK
 ・NEWSJAPAN 2019年02月6日
  https://www.bbc.com/japanese/47139939
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A 今、「終戦宣言とINF全廃破棄」という2つの重要なキーワードが大きく動いている。

 

B 終戦宣言。これはトランプさんが米朝首脳会談で、終戦宣言する可能性である。トランプさんの狙いは、再選。再選のために、朝鮮半島にいる米軍を引き上げさせたいという狙いである。

 

A 米軍の管理維持コストは半端ではない。自国を軽視し他国(世界)にお金をつぎ込むのはどうなんだ!という意見が存在するのは当然であり、この部分を確実に確保できる。

 

B さらに、終戦宣言からの平和条約締結へと流すことで、大きな成果を作ることができるし、ノーベル平和賞も見えてくる。

 

A これがトランプだ!という名札づくりには持ってこいの事象であり、大統領の資質についても好感度を付与できる。


B INF全廃。これは米ロ間での、中距離核戦力全廃条約の履行停止という問題である。ゴルバチョフレーガン時代に、INF全廃条約が締結されたが、現在をみれば、実質的にはこれは意味をなしていない。

 

A 更に、中国のようなINF全廃条約とは無関係の国が軍事力を急激に増大させている。

 

B アメリカもロシアも、立場としては、相手方が破棄すればそれを受け入れるという態度を示しつつあるのあろう。

 

A 朝鮮半島終戦宣言にINF全廃破棄。これは日本の軍事的立場を大きく揺るがすイベントであり、戦争的脅威が一気に高まることを意味する。平和ボケの日本人であっても、せめて、戦争リスクが一気に上がることくらいは、頭の片隅に入れておいてほしい。

 

B 朝鮮半島終戦宣言については、文大統領の思想も影響している。金大中のことが頭にあるのだろう。自分も平和書を狙いに行くのではないか。つまり、韓国は積極的に南北平和条約締結へと動いていっておかしくはない。

 

A 何が起こるか。朝鮮半島を中心にみると、北側のロシア・中国・北朝鮮と、南側の日本・米軍(在日)・台湾という構図がでてくる。

 

B 更に踏み込んでみると、地理的に、沖縄の戦略的重要性が一気に上がるとわかる。裏を返せば、北朝鮮発日本着のミサイルリスクが一気に高まる。

 

A INF全廃を考えると、ロシア(と当然アメリカ)の核兵器・ミサイル開発が一気に進む。重要なことは射程である。ロシアが整備していく中距離弾道ミサイル(500km射程)は、欧州だけでなく、日本も含むことにあなる。

 

B 南北終戦宣言に話を戻すと、韓国が平和条約を締結すれば、北朝鮮からの日本方向の短距離段の可能性は消える。残るのは中距離弾である。

 

A 日本というのは、民政と軍政を混同し続けている。正確には、アメリカから民政は戻してもらったが、軍政は返還してもらっていない。これをうまく隠してきているような状況。

 

B さらには、防衛費が対GDPで非常に小さい。弱いわけではないが、アメリカ依存性が非常に高く、自立はしていない。北朝鮮が相手だとしても、日本のみでやりあうのは非現実。ロシアの中距離弾道ミサイルなどもってのほか。

 

A このような中で、日本のリアクションがあまりにも静かなのがげせない。INF全廃であれば、日本は、アメリカとロシアの問題などと対岸の火事的な態度をとってはいけない。欧州もまきこみ、グローバルな危機感を持って、INF全廃問題に対して行動を起こすべきだ。

 

B 南北平和条約について、それを阻止するわけにはいかないが、それが実現したときに、今の米軍頼りの状況ではつらくなることも認識しないといけない。沖縄は重要だ。単なる感情論での米軍基地移転などを問題に採り上げている場合ではない。日本としての戦時的リスクについて、政府は国民にもっと正直に情報をだし、やるべきことを定める必要がある。

 

/2018.02.16 JK