JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「自動ブレーキの義務化」から

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3点に注目したい。
 1.混在期間
 2.車間キーパー
 3.自動運転社会により、人の心構えも変わる。
代表関連記事 讀賣新聞 自動ブレーキ、新車に義務化へ…日本・EU主導
 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190213-OYT1T50207/
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A 大きな流れを考えた時に、自動運転に波がきていることは、多くの方々既に知っていることと思う*0。それの必要性議論を脇に置いたとしても、「ある波が形成される」ということは、巨大な市場が形成されるということである。

 

B レベル4+5の市場規模は2030年までに420万台に達するといわれる。レベル3では2030年の販売台数は1800万台近くに上ると予想されている*1

 

A 自動運転に限らずだが、巨大な市場を創れる場合、それは国家戦略の1要素として利用されることが多い。自動運転もこの例に漏れない。

 

B 自動運転化する未来を考えた場合、最も難しく重要なフェーズは、人運転の車と自動運転車の混在期間である。ここの乗り切り方を国レベルの施策としてステップ化し設計することが重要になる。

 

A 自動ブレーキは重要である。それは、都市部集中化が更に加速する未来と現状の交通事故の惨状からいえる。また、自動ブレーキが当然(義務化)となると、混在機関の混沌っぷりが下がる。また、「自動化」に対する心理バイアスも大きく下がる。この心理バイアスは一般消費者だけでなく、自動車エコシステム内のプレイヤーについても当てはまる。

 

B 車にデジタルコックピットが導入され、徐々に、移動の概念が変わっていく。自動ブレーキの他にも、自動XXの義務化(或いは、強烈な減税など)を繰り出すと、自動運転・人運転の混在機関のカオス程度を緩和できる。

 

A 日本において最近よくみるニュースは、「あおり運転」であろう。あぶないケースを大々的に取り上げ目立ってしまっている側面も強いが、「あおり」の危険性は事実であるし、混在期間を視野にいれるのであれば、ここは対策しておきたい。

 

B 混在期間においては、レーンを同じくする場合、自動運転の「安全運転」の中に、「人の運転」が混じることになる。車の中という安全地帯に収まることで、人の攻撃性が増すことはよく知られたことだろう。自動運転車への「あおり」であったり、無理な追い越しなどが、乱発すると考えられる。


A そもそも「適正な車間距離」というのは、自動運転だろうが、人運転だろうが重要である。当然、人運転の方が、適性距離は長くなる。自動ブレーキに次いで、「車間キーパー」でも導入したらどうか。

 

B 速度を変数に、前の車に接近できる距離に制限をかけてしまえば、安全性は飛躍的に上がる。

 

A ある程度の車間になると、自動でアクセルに制限がかかったり、ブレーキが作動し、車間距離を一定値以上にしようとする。これが義務化されれば、人の乗車による攻撃性が下がっていくと考えられる。

 

B 初めは、イライラする人も増えるのだろう。しかし、すぐになれる。イライラしても、あおることは出来ないわけだし、クラクションを鳴らすことも全く意味をなさない。このような状況に数回でくわせば、諦める(なれる)ことになるのかと思われる。

 

A 自動運転社会の交通ルールは、現在とは全く異なる。移動概念が変わることで、車中での時間の概念も変わる。それは、車中で過ごす人の「心の構え」も変わってくることになる。そこにむけた、慣らし期間をしっかりと設計し、混在期間を滑らかに通過することが、自動運転化社会を構築する上で重要になる。

 

 

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 「昭文社の不調」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/12/20/072950

 「自動運転車タクシー、米で始動」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/11/29/062611

 「ドイツ、グリーン電力の夢頓挫」から
  https://jk-tomorrow-maker.hatenablog.com/entry/2018/10/30/082503



  
*1 自動運転ラボ https://jidounten-lab.com/y_4967


/2018.02.13 JK