JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「ヤマダ、逆回転」から

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三点に注目したい。
 1.アンチ事業部
 2.VRプラットフォーマ
 3.危険な相手に自分がなる


関連代表記事 日本経済新聞  2018/11/1 5:30
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37175410R31C18A0000000/
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A ヤマダ、ケーズデンキノジマ…家電量販店の業績にはっきりとした明暗が生まれている。その主たる原因は、ヤマダ電機の進める脱家電戦略が、目の前の家電需要の刈り取りにフィットしていないためと考えられる。即ち、家と家電といった路線である家電スマイル館化により、猛暑や買替、或いは4Kといったパルス需要を刈り取れていない。

 

B この結果をみて、安直に、ヤマダ敗者・ケーズやノジマ勝者と論じるのは、あまりに浅はか。家電量販店の従来の事業構造であるスケーラビリティを活かした大量販売モデルが、Eコマースという濁流により破綻しかかっているのは事実である。ECは更に飛躍的に伸びる。加えて、VRといった仮想空間を利用したサービス展開も始まる。更には、シェアリングやサブスクリプションモデルの台頭がある。このような外部環境を考えれば、目の前のパルス需要を刈り取れていたとしても、中長期の大胆な転換を進めていないとしたら、それは魅力に乏しい企業、即ち将来の負け組であると言える。


A ジャックウェルチのアンチ事業部は非常に重要な発想であり、仕組である。特に、デジタルの濁流が押し寄せる業界においては、今後より重要になる。家電量販店もその1つであり、自ら今までの事業を崩壊させるような新事業を作り上げる気概は重要である。しかし、事業構造のシフトやPPMのシフトを考える時に、現状(現市場・現製品)にて最大限の利益を吸い上げるのは基本中の基本である。即ち、現状での利益最大化を時間軸を加味し進めながら、構造転換を進めていく必要がある。


B ヤマダは、住宅に関連する製品・サービスを一括りにして提供する家電スマイル館、への転換を行っている。このような大胆な転換に向けて動く気概は評価するが、これで成功すると考えているのであれば、構想力が不足しているといわざるを得ない。例えば、新生活まるごと提案として、松竹梅のレベルを設け、安価に家電や家具をまるごとセットで購入できるようにしているが、これを誰が買うのだろうか。家電スマイル館のメインセグメントをどのように設定しているのか。日本という環境を加味すれば、儲かる領域に歩みを向けているとは思えない。


A 家電量販店の現状分析は割愛するが、私であれば、VR・MRに本格的に舵を切る。出来るようにすることは、消費者の住む住居空間に対してデジタル家電などを次から次にアテガウことを可能にするVRサービス。例えば、既存家電の交換であったり新製品据付の際に、僅か5分で室内の構図をデジタルで起こせるようにする。室内に星空を投影するプラネタリウムバイスのような球体デバイスに、位置・距離公正用の小型デバイスを合わせれば、実現できるだろう。このデバイスは開発する。デジタルで起こした室内環境を利用し、あらゆる家電などを入れ替えたり、新しく置いたりできりるようにする。当然、保守点検や、模様変え・買い替えなどもパッケージサービス化。部屋という空間に対してデジタル家電を配置した履歴情報から、消費者が置きたがっている場所や、よく置いている場所、或いは、家電/家電間や家電/家具間の関連なども把握できる。これを製品側に活かす。


B 実際の機器の操作性であったり、肌感、重量、角の状況…など、各消費者が気になる部分は、店頭で確認可能にすればよい。例えば、家でデジタル家電の配置を色々ためし、気になる家電を3つピックアップ。これを送信すると、翌日にはそれを店舗で体感可能にする。


A VRやMRを見るためのゴーグルデバイスは貸与していく。ヤマダサービスに入っていれば、家電保守点検や据付、交換などの対応は当然として、規定回数・期間であれば、専用デバイスを自宅に保有しいつでも試してみることができる。何かしらのパッケージサービス化して月額や年額として設定できれば、CCC(Cash Conversion Cycle)を小さくできるため、投資の健全性もあがってくる。


B この商売のKFS(Key Factors for Success )の1つは、あらゆる家電などを扱えること。SONYでもHITACHIでも、華為でも、ブルーエアでも…全てをスムースに使えることが重要。よって、各メーカに対してVR化プラットフォームを提供していく必要がある。このプラットフォームへの参画メーカ数・商品数が肝であり、増える程に魅力が高まり正回転が始まるため、後続への優位性も高まる。この部分を構築するために、勢いあるベンチャーを買収するなど外の力を入れ込む必要がある。


A ヤマダとしては敢えて家電に特化して、例えば、このプラットフォームをニトリやイケアなどに開放するという手もある。当然、消費者は、家具と家電は同時に扱うことができる。このような操作により、後続の追従はより困難になるし、中長期的に「家の中のモノ」に対するプラットフォーマとしての支配度が高まっていく。