JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「DeNA、健康サポート」から

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三点に注目したい 
 1.「安心してイキイキと送れる健康生活」
 2.「ゆりかごから、ゆりかごまで」
 3. 構想⇒ビジョン⇒主要素・KFS⇒打ち手の順番

関連代表記事 ITメディアニュース 2018年03月20日 17時33分
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1803/20/news107.html
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A DeNA、Yahoo、ジェネシスヘルスケアをメインに、遺伝子検査・解析サービスが展開されてきた。主に、採取した唾液をベースにして、病気などの遺伝的リスクを調べる遺伝子検査であり、350項目近い病気リスクを3万円程で検査できる。これにより、がんや肥満、糖尿病、高血圧…などに対して、遺伝的特徴に見合う方法で予防できるメリットがある(とされる)。


B ヘルスケア関連の消費者ターゲットにした事業が、次々と誕生している。日常の高度を記録し解析できるFitbitのようなデバイスや、スリープテックを駆使し睡眠状態を定量するもの…など。また、健康食や運動なども、次々とブームを呼んでおり、健康生活という固い地盤がますます厚みを増している。消費者の視点に立てば、これらをバラバラに扱うのは面倒でしかない。決して、Fitbitが欲しいわけではなく、MyCode(DeNAの遺伝子検査)で遺伝子解析がしたいのではない。次々と提示される健康法や食品を手当たり次第に試したいわけでも、ない。例えば「気軽に健康を維持したい」わけである。


A 事業により目指す方向はかわるが、私であれば、「安心してイキイキと送れる健康生活」を目指す。即ち、無理なく手軽に適確に健康を維持し、病気になれば悪化する前に的確に低負荷で処置し、無理なくリハビリや再発防止ができる。何も心配はいらない。我慢も最小化する。楽しく健康ライフを続けていく。


B 「安心してイキイキと送れる健康生活」を指針とするのであれば、「遺伝子解析をする/データを提供する」という行為はほぼ無価値といえる。ガンのリスクが平均に比べ10倍です、と言われても、困るだけである。不安になるだけである。「どうすればいいか」…という提案・助言に価値があり、それを自分で選択し「難なく実行できる」ことに価値があり、「どうなったのか」という経過・変化に価値がある。


A 重要になるのは、無数にある健康情報の中で、科学的エビデンスに基づいた情報を利用すること。そして、消費者の「負担」を最小化し、生活の「豊かさ」を最大化する提案を可能にすること。私であれば、いくら遺伝子解析的結果と健康科学エビデンスに基づいていても、「毎食XXを食すこと。塩分量はYY以下。一食にかける時間は…」と制約されたら、食事がつまらなくなり、人生の魅力が低下し、ストレスが溜まる。

 

B 最低でも「どこの飲食店に、全て適う定食があるか」であったり、「全て適うミールキット」にまで繋げるべき。当然、このような制約を制約とも思わない人々もいるわけであり、個人ごとに適した制約状況を設定し、個別最適化することが重要になるのは言うまでもない。

 

A そして、これらを実行することで、「どれだけリスクが減ったか」を把握できるようにすべき。方向性が明確であり、進捗を管理することが、やる気・満足・充足感に重要である。

 

B より長い人生という枠でとらえれば、遺伝子解析というのは「土台」であると言える。そして人間は生きる。生きてきた過程が蓄積していく。よって、定期的な健康診断情報をトレースできるようにする必要がある。遺伝子からみた先天的個性を把握し、生きてきた過程・蓄積を反映した現状を認識することで、より本質的に「注意すべき項目」がわかる。そして、提案の適確性を強め、進捗管理の妥当性を高めるために、日常の行動情報が必用になる。


A 先天的個性・土台を遺伝子解析で、後天性が繁栄される現状を定期健康診断で把握し、本質的な危険を察知する。そして、日常行動記録を利用して原因側を補完し、現地点を明確にし、提案力と進捗管理力を高める。これらの3要素の情報源は、個人に紐づくべきであり、事業者ごとに分断されるべきものではない。1つの個人に紐づく健康プラットフォームとして、管理されるべきである。


B 「安心してイキイキと送れる健康生活」。私であれば、「ゆりかごから、ゆりかごまで」というコンセプトを加える。即ち、妊娠段階からの情報を、1つのアプリで管理・記録し続ける。初めは、親が、子・胎児の検診結果を「子供の健康のためのアプリ」に手入力してもいいだろう。いずれ、エコシステムを広げ各機関と連動させ、オートメーション化すればよい。おなかの中にいる段階から、幼児を通過し、小学生へと大きくなっていく。成長過程で経験する各検診や通院・入院、アレルギー…育った環境などを全て記録していく。子供の自立や成人といったタイミングをみて、親から子へと継承してはどうか。思い出アルバム的な側面ももつため、親子関係さえ良好になる可能性もある。これを使い続け、「安心してイキイキと送れる健康生活」を実現し、自分の子供にも同様のことを行っていく。

 

A 連動・連結させる組織・サービスを増やしながら、面倒くささを限りなく小さくする改良を常に続け、エコシステムを拡大・深耕し、デファクトへと向かう。

 

B 面倒というのは相対的概念であるため、UI/UXを的確に設計するだけでなく、例えば、アルバムであったり子育て日記的なサービスと連動させて「ぼかす」といった戦術も、効果は大きいだろう。

 

A アプリは無償化し、広げ深めるエコシステムからの課金モデルを最適化し、アプリに入力した内容の充実度合いにより消費者にポイント付与するという手もある。無償アプリに健康情報を蓄積する程、ポイントが溜まる状態である。

 

B 消費者調査が非常に重要。無償化アプリでポイントすら付与するのか、あえて有償にすることで「本気度、のめり込み度」を高めるのか。私であれば、極低料金での有償モデルにする。


A このように構想を先に描き、ビジョン化して可視化し、必要なパーツやKFSを見極め戦略化していく。その上で、「まずは、遺伝子解析から」とか、「母子手帳電子化から」といった判断をするのが理想だ。また、どこまで「手を出すか」は重要なデザイン要素である。即ち、自社が担う部分と、他企業等と連結・連携・協力する部分との、切り分け方である。このデザイン1つで競争力・成長速度が大きく変わる。

 

/2018.12.06 JK