JK_Tomorrow-Maker’s blog

ビジネスや経済などのニュースや日常の気づきを出発点に、「科学(技術)、心(アート)、モノ(サービス)、デザイン」という4象限を操りながら、自由に発想していきます。発想や着眼の手助けや、思考の自由度拡大の糧になれば、何よりです。

「男性の育児」から

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3点に注目したい。
 1.男性或いは女性の移動を戦略的に「促す」
 2.主婦と主夫の消費行動の差異
 3.機会に対する対等性と、周囲環境(設備、人の思考・行動等)の整備

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A 男女平等が叫ばれ、色々な事柄に対して「平等」がとりいれられている。男や女といった性別を理由に、不利益を被るのは違う。しかし、何でもかんでも平等を主張するのも違う。

 

B 重要なことは「機会に対する対等な関係」である。シンプルにするために女性と男性で分類するが、女性の得意分野もあれば男性の得意分野もある。マクロな平均議論として男性/女性の特性は存在し、その中に、個々人のタイプが入ってくる。例えば、力仕事や耐久仕事であれば、男性の方が平均的には適している。ここに対して、単純に男女平等を叫ぶのは間違っている。

 

A 「機会に対する対等関係」がポイントになる。例えば、女性だからという理由で、管理職になる機会に制約が発生するのは間違っている。しかし、男女平等を主張して、問答無用に男性と女性の管理職比率を調整するのも、間違っている。

 

B 「機会に対する対等関係」を整備することで、平等にみながチャレンジ可能となる。チャレンジした結果として、女性:男性=8:2になるのであれば何ら問題はない。また、戦略的に女性:男性=4.5:5.5が望ましいと判断した場合、評価系の不平等な調整をせずに対等な評価を行うのであれば、何ら問題はない。


A もう一つ重要なことは、男女平等のような主張をするのであれば、周囲環境を整備するということである。私は、家事や育児に深くコミットしているタイプだが、特に子育てに対しては、男女平等を叫ぶ割には理不尽な思いをすることが非常に多い。


B 歴史的に男性が仕事で女性が家事・育児という構図があるのは事実であるが、それを責めても始まらない。男性の育児参加を促すのであれば、男性が育児しやすい環境をつくる必要があるのは、当然である。その一端を担っているのは、女性の方がであるのも、いうまでもない。

 

A よく感じる、理不尽であったり、不具合な事柄として、数点例を挙げる。

  ・平日昼間に子供と散歩したりしていると、「変な目線」で見られることがある
  ・三輪車などツールの多くが、男性利用サイズに適していない
  ・男性用トイレの中に、子供対応可能な設備(おむつ交換台、子供用トイレなど)があることが稀
  ・子供教育関連の番組やイベントの多くは、女性親目線で設計・運営されている。
  
  

B 過渡期であるので仕方がない面は大きいが、男女平等⇒育児等も平等⇒働き方改革という流れで論じて対応を進めても、周辺環境が適していなければ、なかなか進まないのも事実である。


A 裏を返せば、ビジネスのチャンスが転がっているという事でもある。例えば、女性がほとんどいなかった業界(工事業界の現場等)に女性が進出することで、制服、お手洗い、セキュリティツールなどの新規需要ができることになる。男性の育児参加も同様であり、例えば、通常の歩幅であるいても足がぶつからない様な設計のベビーカーといった視点が、今後重要になってきたりする。ユニセックスのようなイメージで、可変機構にするというのも、伸びるかもしれない。

 

B つまるところ、男女平等という潮流により、男性或いは女性の移動を「促す」ことを、事業社として戦略立てて実行していくことが重要になる。

 

A 男性育児であれば、男性育児という大きなジャーニーを描き、効用感度の高い点を炙り出し、連続的にそれらに価値を提供していくイメージである。


B ニューヨークでは公共用の男性トイレへのおむつ交換台が義務化された*1。ビジネス的に考えれば、主夫と主婦の消費行動の差には注目したい。男性の子育てに切り替わることで、例えば、出先での消費形態に変化が起きるはずである。特に消費が伸びるような小売り分野があれば、それらの小売業は、男性×子連れに快適な環境を、店頭に来る前~後に跨りつくることで、売上が伸びる機会を手にできるかもしれない。

 

A 男性×子連れの構図も確実に増えており、快適な環境を人や設備が提供してくれることがあるのも事実であるが、現状は過渡期であり、環境(設備や人の思考、行動)としてはまだまだ未整備状態であるのが現状。繰り返しになるが、「男性の育児参加を促進させる」という視点で、戦略化する必要がある。そのために、男性育児ジャーニーを描くことがまずは重要。高揚感度の高い部分を測定し、例えば、男性育児という視点での消費変化を測定し、消費が伸びる分野周辺に対して、店頭来店前~後に跨り、環境整備を行う。

 


*1 CNN 2019.01.06 Sun posted at 15:37 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35130873.html

 

/2018.01.07 JK